2020年同志社大学(文系数学)の大問2を解説します。
問題は全部で5問です。
問題
(1)72の正の約数の個数と総和をそれぞれ求めよ。
(2)p,qを素数とし、p<qであるとする。また、a,bを正の整数とし、nを
n=paqb
で定める。このとき、nの正の約数の個数と総和をa,b,p,qのうち必要なものを用いて表せ。
(3)p,q,rを素数とし、p<q<rであるとする。また、a,b,cを正の整数とし、mを
m=paqbrc
で定める。このとき、mの正の約数の個数が奇数となるための必要十分条件をa,b,cを用いて表せ。
(4)正の約数の個数が奇数となる正の整数はどのような整数か答えよ。
(5)1以上2020以下の整数のうち、正の約数の個数が奇数となる整数の総和を求めよ。
同志社はだいたい7割ぐらい取っておきたいので、(4)までは完答したいところですね。
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【2020年過去問】同志社大学文系数学の大問2|整数問題の解説
それでは、(1)から解説していきます。
(1)72の正の約数の個数と総和をそれぞれ求めよ。
まずは72を素因数分解します。
72=2・62=23・33
正の約数は、指数部分+1でかけていくものなので
(3+1)(2+1)=12個になります。
総和なので、
(20+21+22+23)(30+31+32)=15 ✕ 13=195
答え 195
(2)p,qを素数とし、p<qであるとする。また、a,bを正の整数とし、nを
n=paqb
で定める。このとき、nの正の約数の個数と総和をa,b,p,qのうち必要なものを用いて表せ。
(2) は、(1)の問題を一般化する問題ですね。
正の約数=(a+1)(b+1)個
総和は
(p0+p1+…+pa)(q0+q1+…qb)
(p0+p1+…+pa)は等比数列の和
初項1、公比p、項数a+1なので
1-pa+1/1-p …①
(q0+q1+…+qa)も同様に等比数列の和
初項1、公比p、項数b+1なので
1-qb+1/1-q …②
①と②をかけ合わせた数なので
(1-pa+1)(1-qb+1)/(1-p)(1-q)
答え (1-pa+1)(1-qb+1)/(1-p)(1-q)
(3)p,q,rを素数とし、p<q<rであるとする。また、a,b,cを正の整数とし、mを
m=paqbrc
で定める。このとき、mの正の約数の個数が奇数となるための必要十分条件をa,b,cを用いて表せ。
正の約数の個数は
(a+2)(b+1)(c+1)←これが奇数になる
奇数になる場合は、a+2、b+1、c+1の3つすべてが奇数のとき。
つまり、a,b,cがすべて偶数のとき、mの正の約数の個数が奇数になる。
答え a,b,cがすべて偶数のとき
(4)正の約数の個数が奇数となる正の整数はどのような整数か答えよ。
i)正の整数をtと置くと
t=1のとき
正の約数の個数は1個
ii)t≧2のとき
t=p1a1p2a2p3a3…piai
正の約数が奇数になるのは
(a1+1)(a2+1)(a3+1)…(ai+1)のa1+1、a2+1、a3+1、…ai+1がすべて奇数である必要があるので
a1、a2、a3、…aiまですべて偶数です。
t=p1a1p2a2p3a3…piaiの指数部分がすべて偶数ということは、tは何かの2乗の形に変えることができます。
何かの2乗に変えられる性質を持つ整数tは「平方数」といいます。
答え 平方数
(5)1以上2020以下の整数のうち、正の約数の個数が奇数となる整数の総和を求めよ。
(4)でtはn2を作れる平方数ということがわかっています。
なので
1≦n2≦2020
を満たすものになります。
nに45を代入して計算すると2020を超えてしまうので、n=1~44。
Sn=12+22+…+442
シグマの公式に当てはめると
1/6・n(n+1)(2n+1)=1/6・44✕45✕89=29370
答え 29370
詳しい解説を見たい方は、解説動画で確認してみてくださいね。
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